2016/12/21

圧痛と筋硬度を指標とした肩こりに対する鍼治療の効果

こんにちは。
宮前区にあるひかり鍼灸整骨院 宮崎台院です。
 
今回は10年近く前に、全日本鍼灸学会にて発表した
「圧痛と筋硬度を指標とした肩こりに対する鍼治療の効果」
についてお話してきますね。
少し難しい表現もありますが、さっと見てもらえればわかるようにしていきます。
 
肩こりは、日本人の多くが訴える愁訴であり、男性は第2位。女性は第1位と多い症状です。(平成19年国民生活基礎調査)
この「肩こり」とは、日本整形外科学会の肩こりプロジェクト委員会報告の定義によると、肩関節から項部の間、項部、肩甲骨および肩甲間部における、固くなった感じ、張っている感じ、重苦しい感じ、痛い感じとしています。
全日本鍼灸学会研究肩こり班の定義によると、自覚的に頚部、肩甲上部、肩甲部、肩甲間部に不快感、自発痛、軽い運動痛があり、他覚的にはこれらの筋を触診すると異常に緊張し、特定の部位に圧痛点ないし凝りを生じているものとしています。つまり、自覚的な肩こり感と他覚的な圧痛や硬度を合わせて肩こりとしています。
※自覚的とは、自分で感じていること。他覚的とは、他の人がその人をみてわかること。
 
自覚的な肩こりと他覚的な圧痛や筋硬度についての先行研究ですが、圧痛をみているが鍼をしていなかったり、圧痛をみて鍼をしているが筋硬度をみていなかったり、筋硬度をみているが圧痛をみていなかったり、鍼治療の効果を肩こり感、圧痛、筋硬度を同時に検討した研究はありません。
※圧痛とは、押した痛みです。
そこで、本研究の目的として①鍼治療は肩こりに効果があるか。②鍼治療により圧痛、筋硬度は変化するか。③肩こり感、圧痛、筋硬度は相関するかを検討することとしました。
 
実験方法です。
対象は、平成20年7月から平成21年3月の間に筑波大学理療科教員養成施設理療臨床部に来療した肩こりを訴える患者37名を対象におこないました。性別は男11名、女26名です。年齢は58±15歳です。
採用条件としましては、頚部、肩上部、肩甲間部にこりを訴えるものや、肩こりが1か月以上変化のない成人としました。
除外条件としては、上肢症状のあるもの、ジャクソンスパーリングテストが陽性のもの、五十肩や肩の疼痛性障害のあるもの、肩こりに対して薬物を服用しているもの、肩こりVAS値が10未満のものとしました。
 
治療方法です。
セイリン社製のディスポーザブル鍼、寸6-3番を用い、肩こりを訴える筋に低周波鍼通電で筋が軽く収縮する強さを臥位で1Hz15分おこないました。
 
評価項目は肩こり感、圧痛、筋硬度としました。
まず、肩こり感についてですが、肩こりの左右全体的なつらさをVASで測定しました。
VASとは、10cmの線を横に引き、一番左をまったくなし(0mm)、一番右を人生最大の痛み(100mm)としたときに、今の肩コリがどの程度かを、線上に印をつけてもらい、左から何mmのところにあるかを測定します。
圧痛については、圧痛計FPメーターで皮膚面に対して垂直に5kgの一定圧で押したときの痛みの強さをVASで測定しました。
測定部位は肩井穴(肩の真上)と肩外ゆ穴(肩井穴の後内下方)におこないました。
筋硬度については、弾性計PEK-1を用い、皮膚面に対し垂直に同じ数値が2回続くまで測定しました。
測定部位は肩井穴におこないました。
 
実験手順です。
肩こりを訴える筋に低周波鍼通電をする前後に肩こり感、圧痛、筋硬度を測定を行いました。
 
統計処理は各評価項目の治療前後値については対応のあるt検定を用い、相関関係についてはピアソンの相関係数を用い、どちらも有意水準は5%未満としました。
 
結果です。
肩こりVASは治療前51.9mmが治療後32.8mmと有意に減少しました。
圧痛VASは、左肩外ゆ穴は41.9mmが30.2mmに、右肩外ゆ穴は46.8mmが35.9mmに、左肩井穴は59.2mmが46.4mmに、右肩井穴は56.8mmが48.2mmと有意に減少しました。
筋硬度は左側は59.2が58.0に、右側は59.5が58.1と有意に減少しました。 
相関関係についてですが、肩外ゆ穴で筋硬度を測定していないので、肩井穴のみでみています。
肩こりと圧痛は、左側で弱い相関がみられましたが、右は相関がみられなかった。
肩こりと筋硬度は相関がみられませんでした。
圧痛と筋硬度は左右とも相関はみらませんでした。
※相関とは、関連があるかのことです。
 
考察です。
肩こりを生じさせる原因の一つとして、筋が過剰な収縮を生じていることがあげられ、その筋に低周波鍼通電を行うことにより、筋緊張の緩和や閾値の上昇がみられたことが、肩こりVAS、圧痛VAS、筋硬度を減少させたと考えられました。
先行研究と同様に肩こり感、圧痛、筋硬度において相関関係はみられませんでした。
 
結語です。
肩こりを訴える筋への鍼治療直後に肩こり感、圧痛、筋硬度が減少することがわかりました。
また、肩こり感、圧痛、筋硬度において相関関係はみられなかった。
 
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